着物の着方の基本【浴衣との違いと初心者の始め方】

着物の着方について、こんな疑問を持って調べていませんか。

  • 着物の着方の大まかな流れを知りたい
  • 浴衣とどう違うのか知りたい

この記事では、着物を着る際の基本的な流れと、初心者が最初にぶつかりやすいポイント、男性の着方の違いやたたみ方まで、まとめて解説します。

目次

着物と浴衣の着方の違い

浴衣は肌着の上に直接羽織るだけですが、着物は肌着の上に長襦袢を着てから着物を重ねるため、工程がひとつ多くなります。長襦袢の衿は着物の衿元からわずかに見えるように仕立てられており、この見え方も着姿の印象を左右する要素のひとつです。

また、着物では帯の種類も格式に応じて袋帯・名古屋帯などを使い分けるため、結び方も浴衣よりバリエーションが多くなります。浴衣で主に使う半幅帯の蝶結びに対し、着物では二重太鼓や一重太鼓など、帯枕を使った立体的な結び方が基本になる点も大きな違いです。

項目浴衣着物
下に着るもの肌着のみ肌着+長襦袢
足元素足に下駄足袋+草履
主な帯半幅帯袋帯・名古屋帯など
帯結びの基本蝶結びなど平面的な結び帯枕を使った立体的な結び

着物を着るときの基本的な流れ

STEP
肌着・裾よけを着る

着物専用の肌着(和装スリップなど)を身につける。

STEP
長襦袢を着て衿を整える

長襦袢の衿元の抜き加減が、着姿の印象を大きく左右する。

STEP
着物を羽織り、右前に合わせる

浴衣と同様、右側の衿を先に体に当ててから左側を重ねる(右前)ようにする。

STEP
腰紐・伊達締めで固定する

おはしょりを整えながら、腰紐と伊達締めで着崩れを防ぐ。

STEP

帯を締めて完成。帯板・帯枕などを使い、格式に合わせた結び方で仕上げる。

着物は工程が多いため、最初から一人ですべて行うのは難易度が高めです。特に多くの人がつまずきやすいのが、衿合わせ・おはしょり・帯結びの3つです。次の章で、それぞれのポイントをもう少し詳しく見ていきます。

衿合わせのポイント

衿合わせで特に注意したいのが、右前(右側の衿を先に体に当ててから左側を重ねる)にすることです。これは着物・浴衣に共通する基本のルールです。逆に着てしまう「左前」は、亡くなった人に着せる装束の合わせ方とされているため、慶事や普段の場では避けるべきマナーとされています。長襦袢の衿の抜き加減も、詰まりすぎると若々しい印象に、抜きすぎると崩れて見えやすくなるため、こぶし1つ分程度を目安にするとバランスが取りやすくなります。

おはしょりのポイント

おはしょりとは、着物の丈を腰紐の上でたくし上げて作る「折り返し」の部分です。おはしょりの幅は指2〜3本程度が目安とされ、シワが寄らないよう脇の部分できれいに整えることで、着姿全体がすっきりして見えます。着物の丈が体に対して長い場合や短い場合でも、このおはしょりで調整できるのが、着物の仕立ての大きな特徴です。

帯結びのポイント

帯結びは、着物の着付けの中でも特に難易度が高い工程だとされています。礼装で使われる「二重太鼓」は、帯枕を使って背中に立体的な太鼓型を作る結び方で、慣れないうちは一人で形を整えるのが難しく感じられます。最近では、あらかじめ形を作っておき、背中に回して固定するだけの「作り帯」も販売されており、初心者が独学で練習する際の選択肢になっています。

着物初心者におすすめの始め方

  • まずはレンタル店舗の着付けサービスを利用し、実際の着姿を体験する
  • 着付け教室の体験レッスンで、基本の手順を実際に見ながら学ぶ
  • 慣れてきたら、まずは長襦袢と着物を合わせる部分だけ自分で練習してみる

いきなり全工程を一人でこなそうとせず、着付けのプロに任せながら少しずつ流れを覚えていくのが、挫折しにくい進め方です。着付け教室によっては、自分の着物を持ち込んで練習できるコースや、オンラインで手順を確認できる動画教材を用意しているところもあります。

最初から完璧を目指さず、まずは着崩れても直せる範囲の練習から始めると、無理なく続けやすくなります。

男性の着物の着方の違い

ここまで紹介してきたのは主に女性の着方ですが、男性の着物は仕立てそのものが異なるため、着方にもいくつか違いがあります。女性の着物は身長より長めに仕立てて「おはしょり」で調整しますが、男性の着物は身丈(みたけ)に合わせて仕立てる「対丈(ついたけ)」が基本で、おはしょりを作らないのが最大の違いです。

帯の位置も異なり、女性は帯を胸の下あたりの高い位置で締めるのに対し、男性は腰骨のあたりで低めに締めます。結び方も「貝の口」や「片ばさみ」といったシンプルな結び方が中心で、女性の帯結びに比べると工程は少なめです。長襦袢の下には、半襦袢とステテコを合わせるのが一般的な組み合わせで、女性用の肌着とは種類が異なります。

着物の脱ぎ方・たたみ方の基本

着物を脱いだあとの扱い方も、着方とあわせて知っておきたいポイントです。脱いだらすぐにたたまず、まずは衣紋掛け(和装用ハンガー)にかけて、体温や湿気をひと晩ほど飛ばしてから収納するのが基本です。

着物のたたみ方には「本畳み(ほんだたみ)」と呼ばれる基本の畳み方があり、衿や脇の縫い目に沿って折ることで、シワがつきにくく型崩れも防げます。最初はうまく折り目が合わせられなくても、脱いだらすぐにたたむ習慣をつけておくと、次第にきれいにたためるようになります。帯や長襦袢にも、それぞれ専用のたたみ方があります。

着物の着崩れを直す応急処置

着物を着て長時間過ごすと、多少の着崩れは起こりやすいものです。衿元が開いてきた場合は、おはしょりの下から衿を軽く引いて整え直すと目立ちにくくなります。裾が下がってきた場合は、おはしょりの内側からたくし上げて、腰紐の位置で再度固定し直すのが基本的な対処法です。

帯が緩んできた場合は、帯締めを一度ほどいて締め直すだけでも、全体の印象が引き締まります。トイレの際に裾が乱れやすい点も初心者がつまずきやすいポイントで、裾を片手でまとめて持ち上げてから用を足し、終わったら腰紐の位置を基準に裾を合わせ直すときれいに戻せます。慣れないうちは、鏡のある場所でこまめに確認する習慣をつけておくと安心です。

着物の着方に関するよくある質問

着物は自分で着られるようになりますか

練習を重ねれば可能ですが、浴衣より工程が多いため、最初は着付け教室などで基本を学ぶのがおすすめです。

着付けにかかる時間はどれくらいですか

プロに依頼する場合は20〜30分程度が目安です。自分で行う場合は、慣れるまではそれ以上かかることが多いです。

右前・左前とはどういう意味ですか

右前は、右側の衿を先に体に当ててから左側を重ねる着方で、これが着物の正しい合わせ方です。左右が逆になる「左前」は、亡くなった人の装束の合わせ方とされているため避けましょう。

着崩れたら自分で直せますか

衿元や裾の軽い着崩れであれば、おはしょりや腰紐の位置を整え直すことで自分でも対処できます。帯が大きく崩れた場合は、無理に自分で直そうとせず、周りの人やレンタル店舗のスタッフに相談するのが安心です。

男性の着物は女性と同じ着付け教室で習えますか

男性向けのコースを別に用意している着付け教室もあれば、女性向けコースの中で男性の着方も教えてもらえる教室もあります。対丈の着方や帯の締め方が異なるため、申し込み前に男性への対応可否を確認しておくと安心です。

着物のたたみ方を間違えるとどうなりますか

縫い目とは違う場所で折ってしまうと、その部分に不要なシワや折りジワがついてしまうことがあります。特に礼装用の正絹の着物は、たたみジワが取れにくい場合もあるため、最初は動画などで本畳みの手順を確認しながら行うのがおすすめです。

まとめ

着物の着方は、長襦袢を着る工程が加わるぶん浴衣より複雑ですが、基本の流れ自体は共通しています。最初はプロの着付けサービスを利用しながら、少しずつ手順を覚えていくのがおすすめです。

特に衿合わせ・おはしょり・帯結びの3つは、初心者が最初につまずきやすいポイントです。一度にすべてを完璧にこなそうとせず、着崩れたときの直し方まで含めて少しずつ身につけていくと、無理なく自分で着られるようになっていきます。

男性の着物は対丈で仕立てるためおはしょりを作らず、帯の位置や結び方も女性とは異なります。性別によって着方の基本が変わることも知っておくと、家族で着物を楽しむ際に役立ちます。着た後のたたみ方まで含めて、少しずつ流れを身につけていきましょう。

※本記事の情報は2026年8月時点のものです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次