男性の着物の着方・選び方【女性との違いと必要な小物】

男性の着物について、こんな疑問を持って調べていませんか。

  • 男性の着物は女性とどう違うのか知りたい
  • 男性が着物を着るとき、何を揃えればいいのかわからない

この記事では、男性の着物の特徴と女性の着物との違い、必要な小物、着方のポイントについてまとめました。

目次

男性の着物と女性の着物の違い

男性の着物は、女性の着物に比べて柄や色のバリエーションが少なく、無地や縞模様、控えめな柄が中心です。これは、男性の着物が「格」よりも「素材」で装いの格式を表現する傾向が強いためとされています。

また、女性の着物にはある「おはしょり」(腰の位置で折り返して丈を調整する部分)が、男性の着物には基本的にありません。男性の着物は自分の身長に合わせた丈で仕立てられており、そのまま端から端まで着るのが特徴です。

素材の面でも違いがあります。女性の着物は正絹(絹100%)を中心に、季節や場面によって多様な素材・柄が使われますが、男性の着物は紬(つむぎ)や木綿(もめん)といった、丈夫でカジュアルな素材が普段着として好まれる傾向にあります。フォーマルな場では、女性と同様に正絹の着物が用いられます。

帯の結び方の違い

女性の帯は華やかな結び方(お太鼓結びなど)で背中に大きな結び目を作りますが、男性の帯は「角帯(かくおび)」と呼ばれる硬めの帯を、腰の低い位置でシンプルに結ぶのが基本です。代表的な結び方には「貝の口」があり、これは浴衣の帯結びとしても広く知られています。

男性の帯結びは女性に比べて工程がシンプルなため、比較的短時間で着付けを覚えやすいのも特徴です。貝の口のほかにも「片ばさみ」という結び方があり、こちらはよりシンプルで着崩れしにくいことから、普段着や体を動かす場面でも選ばれています。

角帯の幅は女性の帯よりも狭く、締めたときに厚みが出にくいため、着物の上からでもすっきりとしたシルエットになるのも男性の着物ならではの特徴です。

男性の着物に必要な小物

男性が着物を着る際は、着物・角帯のほかに、雪駄(せった)や草履、羽織、足袋といった小物が必要になります。フォーマルな場では、着物の上に羽織を重ね、袴(はかま)を着用するのが一般的な礼装のスタイルです。

羽織には、家紋を入れた「紋付羽織袴」という最も格式の高いスタイルもあり、結婚式や成人式などのフォーマルな場面で着用されます。カジュアルな場では、羽織を着けずに着物と帯だけで街着として楽しむスタイルも一般的です。

足元には、フォーマルな場では鼻緒のついた草履、カジュアルな場では雪駄がよく合わせられます。雪駄は草履よりも底が薄く、歩きやすさを重視した履物として、街着や浴衣にも使われています。羽織の内側に着用する長襦袢(ながじゅばん)も忘れずに用意しておくと、衿元がすっきりと美しく仕上がります。

羽織を着るかどうかで、フォーマル度合いが大きく変わります。場面に応じて着こなしを調整しましょう。

男性の着物の格・種類

種類格・用途
紋付羽織袴最も格式が高い。結婚式・成人式などの礼装
羽織袴(紋なし)準礼装。パーティーや観劇など
着物+羽織(街着)普段のお出かけ用のカジュアルな装い
着物のみ(浴衣に近い着流し)最もカジュアルな装い

女性の着物と同様に、男性の着物にも「格」の考え方があります。家紋の数(五つ紋・三つ紋・一つ紋)によっても格式が変わり、五つ紋が最も格式高いとされています。

男性が着物を着るときのポイント

  • 女性のようなおはしょりがないため、購入・レンタル時は自分の身長に合った丈を選ぶ
  • 着崩れを防ぐため、帯を低めの位置でしっかり締める
  • フォーマルな場では、羽織・袴の着用を検討する

特にレンタルを利用する場合は、身長に合わせたサイズ展開があるかを事前に確認しておくと、当日の着付けがスムーズになります。

男性の着物は女性に比べてレンタル・購入時の選択肢が少ない傾向があるため、早めに店舗やサイズを確認しておくと安心です。

男性の着物のサイズの選び方

男性の着物は「身丈(みたけ)」と「裄丈(ゆきたけ)」の2つの寸法が特に重要です。身丈は着物の全体の長さで、基本的には自分の身長と同じ、もしくはやや短い程度が目安とされています。女性の着物のようにおはしょりで調整できないため、この身丈が合っていないと裾が短すぎたり長すぎたりしてしまいます。

裄丈は首の後ろの中心から手首までの長さの目安で、既製品では身長からおおよその裄丈を算出した目安表が用意されていることが多く、これを参考にサイズを選びます。オーダーメイドで仕立てる場合は、実際に採寸してもらうことで、体型にぴったり合った着物に仕上げられます。

男性が着物を着る主な機会

  • 結婚式:新郎として紋付羽織袴を着用するのが一般的
  • 成人式:振袖を着る女性に対し、男性は羽織袴で参加することが多い
  • 卒業式:大学の卒業式などで羽織袴を着用するケースがある
  • お茶会・観劇など:普段着として着物と羽織を組み合わせる

女性の振袖に比べると、男性が着物を着る機会は限られる傾向にありますが、結婚式や成人式のようなライフイベントでは、格式のある紋付羽織袴が今も選ばれ続けています。

男性の着物のコーディネートのコツ

  • 着物と羽織を同系色でまとめると上品な印象、対照的な色にすると個性的な印象になる
  • 帯締めのような小物がない分、羽織紐(はおりひも)の色で差し色を入れる
  • 足袋の色を白から柄物に変えるだけでも、カジュアルな雰囲気を演出できる

男性の着物は女性に比べて色柄の選択肢が少ないぶん、羽織紐や帯留めといった小さな小物で個性を出す人が多く見られます。全体を落ち着いた色でまとめつつ、1点だけ差し色を入れるという考え方は、女性の着物コーディネートにも通じる基本です。

男性の着物の色・柄の選び方

男性の着物は、年齢や場面によって似合う色・柄の傾向が異なります。若い世代は、藍色や紺、グレーなど落ち着いた色でも、縞や格子といったやや主張のある柄を選ぶと、モダンで洗練された印象になります。一方、年配の方はより無地に近い、渋みのある色合いを選ぶと落ち着いた雰囲気にまとまります。

フォーマルな場では、黒紋付や紺、グレーといった落ち着いた無地の着物が基本になります。派手な色柄は避け、羽織や小物で個性を出すのが男性のフォーマル着物の基本的な考え方です。カジュアルな場では、茶色や緑がかった色、大胆な縞模様なども楽しめ、季節感を意識した色選びをすると着こなしの幅が広がります。

男性の着物と浴衣の違い

男性の着物と浴衣は、どちらも和装ですが、格式や着用シーンが大きく異なります。浴衣は木綿素材で作られたカジュアルな和装で、もともとは湯上がりに着る部屋着・寝間着が起源とされ、現在は夏祭りや花火大会などで気軽に楽しむ装いとして定着しています。

着物と浴衣の大きな違いのひとつが、下に着るものです。着物は肌着の上に長襦袢を着てから着物を重ねますが、浴衣は長襦袢を着けず、素肌の上に直接(または肌着の上に)着るのが一般的です。足元も、着物では足袋に草履・雪駄を合わせますが、浴衣では素足に下駄を合わせるのが基本のスタイルです。

着用シーンの面でも、着物は結婚式や成人式などフォーマルな場から普段のお出かけまで幅広く使われるのに対し、浴衣は夏の季節限定のカジュアルな装いという位置づけです。初めて和装に挑戦する場合は、着付けが比較的シンプルな浴衣から始めて、慣れてきたら着物にステップアップするという選び方もおすすめです。

男性の着物に関するよくある質問

男性の着物にもおはしょりは作りますか

男性の着物は基本的に身長に合わせた丈で仕立てられているため、女性のようにおはしょりを作って丈を調整する必要はありません。

羽織は必ず着る必要がありますか

必須ではありません。街着として楽しむ場合は、着物と帯だけのカジュアルなスタイルでも問題ありません。フォーマルな場に出席する場合は、羽織や袴を合わせるのが一般的です。

男性用の着物もレンタルできますか

男性用の着物・羽織・袴をレンタルしている店舗も多くあります。女性用に比べて選べる柄やサイズの幅が狭い場合があるため、事前に取り扱いを確認しておくと安心です。

紋の数によって何が変わりますか

紋の数が多いほど格式が高いとされ、五つ紋が最も格式高い正礼装、三つ紋・一つ紋はやや控えめな準礼装として扱われます。出席する場のフォーマル度に応じて選びます。

体型に合う既製品が見つからない場合はどうすればいいですか

既製品のサイズ展開に合わない場合は、オーダーメイドで仕立てる方法もあります。特に裄丈が長い人や体格が大きい人は、既製品よりもオーダーのほうがぴったりと合う着物に仕上がります。

羽織紐はどう選べばいいですか

フォーマルな場では白や淡い色の羽織紐、カジュアルな場では色や素材を楽しむ羽織紐が選ばれる傾向にあります。着物・羽織の色に合わせて選ぶと、全体のバランスがまとまりやすくなります。

まとめ

男性の着物は、おはしょりがなく、帯の結び方もシンプルなのが女性の着物との大きな違いです。羽織や袴を合わせるかどうかでフォーマル度合いが変わるため、着る場面に応じて着こなしを選びましょう。

サイズ選びや小物合わせのポイントを押さえておけば、結婚式や成人式といった特別な機会だけでなく、普段のお出かけでも男性の着物を無理なく楽しめます。

※本記事の情報は2026年8月時点のものです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次